今回の旬の野菜は2月に旬の「セリ」です。
セリの由来や原産地、歴史
セリはセリ科の多年草で、アジア一帯が原産地とされ、日本をはじめ中国、東南アジア各国、オーストラリアなどに広く分布しています。数少ない日本原産の野菜のひとつです。
名前の由来は、水辺で競り合って育つということから呼ばれるようになったとされています。
水湿地を好み、水田で作られる田ぜりと、畑で作られる畑ぜりの栽培がありますが、畑ぜりの栽培はわずかです。
毒ぜりに注意!死に至ることも…
野生のせりは、山ぜり・野ぜりと呼びます。アクが強いので、アク抜きが必要になります。また、野生のものを摘む時は、毒を持つ毒ぜりがあるのでそれを間違って摘まないように注意が必要です。
毒ぜりには、シクトキシンという猛毒があり、痙攣や呼吸困難で死に至ることもあります。
そっくりな三つ葉とセリの見分け方
流通しているのは、基本的には栽培のものになります。平安時代には栽培が始まったと言われています。
独特の強い香りとシャキシャキした食感が特徴です。
古事記・万葉集にも、春の訪れを告げる若葉として親しまれてきた植物で、春の七草の一つにも挙げられています。せりは唯一、昔のままの姿で変わらずに残っている野菜なのです。
せりは一見、三つ葉に似ていますが、葉の枚数が三つ葉が3枚、せりは5枚となっており、葉の枚数で見分けられます。
七草粥にも用いられるセリ
正月の7日に食べる七草粥はお正月に疲れた胃をいたわるものですが、実際にせりの香り成分には、健胃・食欲増進・解熱といった効果があるとされています。
カリウムが豊富で、鉄と銅も共存し、さらにビタミンB群の葉酸が多いので、貧血の予防に役立ちます。
また骨の形成に必要なマンガンも多く、カロテンも豊富な緑黄色野菜です。成長期の子どもに食べて欲しい野菜の一つでもあるのです。フラボノイドの一種であるクェルセチンには抗酸化作用がありカロテンやビタミンCとの相乗効果でがん予防が期待されています。
セリの選び方や保存方法・調理方法
葉の緑色が鮮やかでみずみずしく、葉先から根元までピンとしていて、香りが強いものがいいでしょう。
茎が太いものは、固いものがあるので要注意。そして茎が折れていたり、歯が黄ばんでいたりするのも気を付けましょう。
根が付いたまま売られていることが多いので、水分が蒸発しないよう、湿らせた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて、野菜室で冷蔵保存しましょう。香りと色を楽しむために、なるべく早く使いきりましょう。
お浸し、あえ物、すき焼きなどの鍋物、炒め物や天ぷら、味噌汁の具材としても活用できます。また、キムチなどにもよく合います。温かいそばに、さっと茹でて、どーんとトッピングしてもいいですね。特にカモ肉と相性がいいので、試してみるのもオススメです。
郷土料理のきりたんぽ鍋には欠かせない具材なので、鶏肉でももちろんOKです! セリは根もおいしくいただけるので、捨てずにきんぴらなどの炒め物、天ぷらでいただいてみるものいいですね。
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参考文献
・『地域食材大百科』 農山漁村文化協会 2010
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『野菜の本 身体にやさしい旬の食材』 講談社 2013
・『やさいまるごと事典 かしこく選ぶ・おいしく食べる』 猪俣慶子 成美堂出版 2012
・『野菜の仕入れ事典』 瀬戸達和 旭屋出版 2008
・『野菜園芸大事典』 第4版 養賢堂 1988
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・とりたて大百科 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
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