今回の旬の野菜は2月が旬の「菜の花」です。
菜の花の名前の由来
菜の花は、キャベツやブロッコリーと同じアブラナ科です。他に、ナバナ、アブラナ、ハナナとも言われています。
古代には、葉や茎を食用とする植物の総称を「菜」、食用とする魚類の総称を「魚」、鳥獣の肉、魚介、野菜などの副産物を「肴」とし、いずれも同源の語として「ナ」と訓じられていました。後に「菜」はその多くが「サイ」と音読されて、「ナ」と訓じられるのはアブラナに関する語句に用いられる程度となったとされています。このため、「菜種」は元来「菜」の種子、つまり葉菜類一般の種子をさしていました。
しかし16世紀になると油脂原料としてアブラナ(在来ナタネ)が注目され、搾った「菜種油」の名称とともに「菜種」はアブラナの種子という意味で急速に広まっていきました。そして現在、「菜種」と言えばアブラナの種子を、「菜の花」といえばアブラナの花を意味するようになってきました。ナバナ、菜の花の名称の使い分けは、農業現場や市場・流通現場でも混乱しており、混同で使われることが多くなっています。
菜の花の栄養素
一般的には、茎とつぼみと葉を食べる和種と、主に茎と葉を食べる西洋種があります。
和種はビタミンC、E、葉酸が多く、西洋種はカリウムやカロテンが多く含まれています。
どちらともビタミンCが特に多く、カロテン、ビタミンEのほか、カルシウム、食物繊維も豊富です。また、葉酸、鉄も含まれる緑黄色野菜なのです。ビタミンCは水溶性なので、調理する前に長時間水につけたりせず、短時間でさっと固めに茹で、水にさらさずザルにとり、自然に冷ますといいでしょう。
辛味成分のイソチアネートはアブラナ科特有の成分で、がん細胞の発生を抑制すると働きがあるとされています。
菜の花の選び方や保存方法・調理方法
全体にハリがあり、茎の切り口がみずみずしいもの、つぼみが小さく締まっていて、変色していないものを選びましょう。花が開いたものは、苦みが強いことが多くなります。茎を束ねている輪ゴムなどを外し、両手でゆすると勢いがよみがえります。湿らせた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れ、野菜室で冷蔵。つぼみが開くと味が落ちるので2~3日で食べ切りましょう。
茎が太いので、茎と葉先を分けて茹でるといいでしょう。おひたしやサラダに向いています。油脂類との相性もいいので、下茹でせずに炒めてもOKです。こうすることでカロテンの吸収もアップできます。ナムルや肉巻き、あんかけや、パスタにあわせてもおいしくいただけます。
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参考文献
・とれたて大百科 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『地域食材大百科』 農山漁村文化協会 2010
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