管理栄養士・栄養士さんの1日のスケジュールを通して、お仕事内容を知るシリーズです。今回は、管理栄養士歴34年、フリーランスとして活躍しているイートリスタの小川綾子さんの1日を教えていただきました。
基本データ
お名前:小川綾子
管理栄養士歴:34年
職業:フリーランス
お仕事内容について教えてください!
【1】どんなお仕事をされているのですか?
フリーランスとして、次のような仕事をしています。日によって仕事の内容と日程はさまざまですが、家庭の事(子育てと義両親の世話など)と両立できる範囲で仕事を請負っているうちに、現在のようなスタイルになりました。
① 行政が民間会社に委託している介護予防教室の栄養講座講師
② デイサービス施設において管理栄養士として巡回業務
③ 熟年料理自主グループの講師(レシピ作成、料理教室)
④ 大学生に対する食生活相談(5月~7月、10月~12月)
⑤ 都内保健所の雇あげ栄養士(母子保健)
⑥ 国民健康・栄養調査の集計業務(主に12月~3月)
ここでは④の仕事がメインの時の1日をご紹介してきます。
【2】1日のだいたいのスケジュールを教えてください。
【3】大学生に対する食生活相談とはどんな仕事ですか?
大学生協東京事業連合(以下本部)所属の栄養士メンバーグループが、30年前からおこなっている、大学生協に加入している大学の学食内で開催される学生対象の食生活相談です。本部で派遣依頼のスケジュール調整がされ、各栄養士メンバーに依頼がきます。
食生活相談開催の時期は年2回、春は5月~7月、秋は10月~12月です。各大学2~5名が派遣され、メンバーにより依頼回数が違います。ちなみに、ほとんどのメンバーがフリーランスです。春秋とも開催終了後に報告会があり、本部との学生の食生活の実態の情報交換も行っています。この食生生活相談は、24年続けています。
【4】食生活相談とは具体的にはどんなことをするのですか?
大学生の食生活の改善だけはなく、健康意識向上のために、大学によって実施状況は違いますが、アルコールパッチテスト、肌水分チェック、貧血チェック、喫煙に関するチェック等も実施しています。相談時間としては学生個別、または複数で15分~30分です。稀に1時間のこともあります。
相談内容は、体調チェックと前日からの食事状況を聞き取りながら、対象学生と話をします。基本のお話は「体にいいこと“食べる”こと」。1人暮らしの学生は自炊に関する相談が多く、自宅生は体調改善の相談が多いです。全般的に学食、外食、惣菜利用時でのメニュー選びのアドバイスもしています。食生活だけではなく、精神的な悩み相談も多く、話を聞いてくれる場所を求めてくる学生も少なくはありません。
【5】この仕事のどんなところにやりがいを感じていますか?
24年前に食生活相談をやり始めた頃は、学生のお姉さん的な気持ち(勝手に。笑)でアドバイスをしていましたが、年齢を重ねるにつれ、私の気持ちも変化してきました。現在は自分の娘と同じ世代の対象学生に、母親の気持ちで向き合っています。
他の仕事で違う世代の方々とも接していますが、どの世代でも共通なのは「食べた物から身体は作られる」ということ。これは若いうちには気付き難いことです。体調を崩すようなことがないと、なかなか気付けないことかもしれません。自分の娘に伝えたい気持ちを、そのまま学生に伝えています。自分の娘は普通に素直には聞いてくれませんが、学生は聞いてくれます(笑)。
不安な顔で相談に来た学生が笑顔になり「ありがとうございました。」と言われた時の気持ちがたまらなく嬉しくて24年続けてきました。これからも続けて行きたいお仕事です。
【6】最後に
食生活相談当日は学食で食事をします。学食はカフェテリア形式。主菜、副菜ともにバラエティー豊かです。写真は7月3日の仕事の際の私の昼食です。
「季節メニューの梅タルタルチキン・麦ごはん・タマゴスープ・おくらお浸し」474円です。生協の学食はカフェテリア形式になっていて自分でチョイスできます。丼物、麺類小鉢物、サラダ、デザート(フルーツ、ゼリー、ケーキなど)が揃っています。バランス良く食べるためにはどんな組み合わせが良いかをアドバイスするのも相談内容の1つです。
今回の食事、個人的にはトマトが+されると嬉しいのですが、1コインランチとしては◎かな?レシートにはE/N比と塩分、野菜の摂取比が表示されています。
生協プリペイドカードの利用で親にも子供が何を食べたのかが、伝わるシステムになっています。大学生協では学生の食生活改善のために様々な工夫がされている事はなかなか知られていませんが生協は頑張っています。管理栄養士養成学科のある大学の食生活相談ではその学科の学生の相談依頼があると嬉しいです。
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